管理栄養士さんの気になる話

管理栄養士さんの気になる話⑤「夏場の水分補給は、どうしたらいいですか?」

「こまめに水分補給してください!」よく聞くフレーズですね。

熱中症を予防するには、体温が上昇しすぎないように注意しながら、汗で失われる水分・塩分などのミネラルを補給することが大切です。では実際に何をどれだけ、どんなふうに飲むのがよいのでしょうか。

夏場は、汗により水分がどんどん奪われます。屋外での運動や作業だけでなく、温度が高い室内でも水分の喪失が多く、熱中症の危険性が高まります。

環境省の熱中症予防情報サイトでは、1日あたり1.2リットル(食事を除いて)を目安としたこまめな水分補給を推奨しています。200ml(コップ1杯)程度の水分を、15~20分おきに摂取するのがおすすめです。

必要な水分量は、体重や年齢から計算することもできます。

【計算式】体重×年齢別必要量30~40ml

(30歳未満:40ml/30~55歳:35ml/56歳以上:30ml)

※例えば、60歳で体重が70kgの方は 70kg×30ml=2100ml/食事から約1000mlの水分が摂れるので、2100-1000=1100mlの水分補給が目安です)

高温な環境での作業や運動で、特に発汗が多い場合には、水分とともにスポーツ飲料や経口補水液などで塩分・ミネラルを補給することが勧められます。そこで、スポーツ飲料で補給する際に注意が必要なのは、糖分の取り過ぎよる急激な高血糖です。良好な状態を維持するには、糖分は3.5%前後がよいと言われています。いわゆるスポーツドリンクでも7%程度の糖分が入っていますので

スポーツドリンクで半分、糖分を含まないお水かお茶で半分を目安にしてください。 

高血糖を避けるには、スポーツドリンクでも糖質をカットしているもの、人工甘味料に置き換えているものなどもありますので、それらの利用もおすすめです。

 

なお、通常の食事を摂っている方は、意識的に塩分を増やす必要はありません。日頃から減塩を心がけている方や、高血圧などで薬を服用中の方は、適切な水分と塩分補給についてかかりつけの先生に相談してみましょう。

※※※※ 豆知識~スポーツドリンクと経口補水液のちがいはなんですか?~ ※※※※

経口補水液は脱水症を回復させるための飲物です。水と電解質の吸収を速めるために、スポーツドリンクよりも電解質濃度が高く、糖濃度が低い組成となっています。

厚生労働省HP 日本高血圧学会HP 大塚製薬工場HPより

 

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